海外食卓日記@スペイン -5ページ目

アリカンテ

夏休みは、地中海沿いのまち、アリカンテに行ってきた。

赤ちゃんを迎える前の夫婦水入らず最後の夏休み、本当は海外に行きたかったのだけど…

おなかが大きくなってきたと同時に私は疲れやすくなってしまったので、大事をとって近場でのんびりすることにしたのだ。


アリカンテはマドリッドから飛行機で1時間。

空港のチェックは、それなりに厳しい。

ここで私は思わぬボディーチェックをうけた。

X線のあと、全員かんたんなボディーチェックを受けさせられたのだが、私はどうやら、大きなお腹があやしまれたようだ。


服の上から、身体中、特にお腹をぺたぺた触られただけではなく、シャツをめくってマタニティー用ジーンズのかっこわるい部分(ゴム状の腹巻部分)をあらわにされた上、そのマタニティージーンズまでめくって腹をのぞかれた!


本当の妊婦かどうか確かめたかったのは分かるが、恥ずかしいと言うか不快だった。ボディーチェック係が女の人だったのがせめてもの救いかな…。


だんなは、マタニティージーンズの素材が分厚い上、私がそれを更に折り返して穿いていたため、シャツにも軽くシルエットが出ていたし、触るとボコボコしていたから怪しまれたのだろう、と言う。服の上から触って、明らかにその下に肌しかなかったら、服をめくりはしないだろう、と。それはそうかもしれない。ボディーチェック係の人も大変だ。帰りは薄手のワンピースにしよう、と思った。


そんなハプニング(?)もありつつ、アリカンテに着く。スペインに来て初めての地中海!

椰子の木が並ぶ海沿いの遊歩道と、広い砂浜がなんとも南国気分。


遊歩道の一角でこんな銅像発見。銅像までなんだかリラックスしてるように見える!


渋谷のハチ公が、もしこんな姿勢だったら、気がぬけるだろうな。


遊歩道には、たくさんの屋台が立ち並んで、工芸品フェアも開催されていた。

夕方から夜にかけて、遊歩道は人がごったがえすほどの大賑わい。

屋台は12時をすぎても開いていて、夕食の前にもあとにも、この遊歩道を散歩するのが楽しかった。

港に、子供用の仮設遊園地のようなものがあり、ここがまた12時過ぎでも子供でいっぱい。

夏休みだからか、スペインだからか、分からないけど…この子供たち、いつ寝るんだろう。


アリカンテから、船で30分ほどのTabarcaという島に遊びに行った。

私は泳がないで波打ち際でパチャパチャやる程度だったが、波がおだやかで水があたたかくて気持ちよかった。

さすがに水着にはなれなかった…。他にも妊婦さんはいたけどね。

Tabarca島にはたくさんレストランがあったが、La Almadrabaというところがちょっとかわいらしい感じだったので入ってみた。

ここで食べた、魚入りarroz caldoso(スープたっぷりのおじや風パエージャ)がすごくおいしかった!

多分スープをカニやエビの味噌でとっているのだろう、一瞬本当に「味噌汁のおじや?」と思うような濃い色と、濃厚な味のスープだった。


アリカンテの屋台で「知恵の輪」のお店があって、とりこになった。

店先でカンタンなものからだんだん難しいのをやらせてくれるのだけれど、2つ立て続けに解いたら、売り子さんがおだて上手だったこともあり、もっとやってみたくなって買ってしまった。


3つセットの知恵の輪。こういうの日本だと100円ショップでも買えるって噂、ホント?


これ、レベルがどれくらいのものか分からないけれど、金具だけのものはすぐ解けた。

紐付きの手前のは、「なぜか解けるけど戻せない」という状態(つまり解けていない)のまま相当悩んだ。

紐付きの奥のは、いまだに格闘中。

(バカンス中なら時間がたっぷりあるからいいけど、家で主婦がやるものじゃないかも。)

帰りのアリカンテ空港では、ボディーチェックはなかったが、今度はこの知恵の輪のせいで、X線でつかまったのだった。

X線に写ると、紐と針金の複雑な形は、爆弾の導線みたいに見えたから仕方ない。

長さ20センチ以上の針金もあったけど、没収されずにすんで良かった。


とりあえず、楽しい夏休みだった。

宮部みゆき


もともとあまりたくさん本を読むタイプではないのだが、最近、夫の影響で日本の文庫本を読むことが増えてきた。

このごろは、宮部みゆきさんの作品が多い。


初めて読んだ宮部作品が、「レベル7」。

ちょっと怖いくらい不気味なナゾに包まれたストーリーがはまる。


夫が何やら真剣になって読みふけってる本があるなぁ、と思って、

彼が会社に行っている間にのぞき見たのがさいご…

面白くて一気に読んでしまった。


ちょうどその時、スペイン語の勉強のためにこちらのミステリー小説みたいなのを読んでいる途中だったのだが、それは放ったらかしとなった。


次に読んだのが「火車」。

これも面白かった。

女性殺人犯の話なのだが、読み終わった後はちょっぴり切なかった。

本の良し悪しとはまったく関係ないのだけど、この犯人の女性が、他人になりすまして自分の過去を消し去り、いつでも逃げられるように、整理整頓・掃除の行き届いた部屋に住んでいた、というところが妙に印象に残った。私にはできないわな…って。


スペイン語の小説のほうは、放ったらかしのままだ。

こんなんじゃいつまでもスペイン語はできるようにならないなぁ。


「レベル7」宮部みゆき著 新潮文庫

「火車」宮部みゆき著 新潮文庫

Retiro公園でピクニックときめこむ

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月曜日は祝日だったので、夫とふたりでRetiro公園にのんびりしに行った。


Retiroは、Madrid中心部にあるすごく大きな公園で、緑あり、水ありの憩いの場(…だけど悪名高き「首絞め強盗」の出没ゾーンでもあるため、パトカーが巡回している)。

休日ともなると、大道芸人も来るし、コンサートも行われるし、たくさんの人が散歩やピクニックに来る。


本当は、私たちもピクニック気分で、レジャーシートなんか持って行ったのだ。

で、そこで夫の手作りのショートブレッドなんか食べちゃう予定だった。


夫の手作り、というところに気づかれただろうか。

実は、うちの夫は、「日曜大工」ならぬ「日曜料理」が趣味で、休日には必ず1度は率先して台所に立ってくれるという、私みたいな怠け者主婦には天使のような一面を持っている。

自分が食べたいと思えば、お菓子作りだってルンルンとやってしまうのだ。

そんなわけで、日曜の夜、「明日はRetiro行くし…」と思って、大好きなショートブレッドに初挑戦してみたのだ。

(Pascualのバターを初めて買って、開けてみたらこんなかわいい模様がついていたので、思わず撮影。)


何でもオリジナルの工夫をするのが好きな夫は、普通のショートブレッドじゃなくて、「紅茶ショートブレッド」と「ココア・ショートブレッド」(実際はココアがなくてColacaoショートブレッド)を作った。

出来上がりはこんな感じ。↓


写真で見るとあんまり分からないが、ちょっと焦げている

ついでに、でかい。(隣にあるのはSchweppesの33cl缶。ちなみにこのレモン味、かなりおいしい☆)


どうやら、焼いている間に予想以上に横にふくらんで(型がなかったので)、薄くなって、表面に焼き色がつくころには中まで焼きすぎてしまったようだ。


とても香ばしくて、それなりにおいしいのだけれど、次の日は風の少ない真夏日。

夫は、暑い中でこの香ばしいお菓子を食べる気にはなれん、と言って、結局食べ物は持たず、

凍らせたペットボトルの水と、それぞれ好きな本を持って、木陰に敷いたレジャーシートの上で読書をして過ごしたのだった。


ついでに、休日のRetiroはベビーカー率も高いので、読書のあとはベビーカー・ウォッチングと称してウロウロ。気に入ったのを見ると、メーカー名をチェックしたりして、かなり不審人物だったかもしれないが、楽しかった!

朝食のシリアル

cereal

最近お気に入りのシリアル。ほのかに甘くておいしい。


私は人から影響を受けやすいタイプみたいで、しかも一度気に入ったものはリピートし、長続きする傾向にある。だから口コミやCMにとっても弱くて、情報に好きなように踊らされるタイプ。


朝食に、夏はシリアルを食べる習慣は、アメリカの高校の寮で影響を受けて以来の習慣。

ちなみにアメリカでは、何種類ものシリアルをミックスして食べていた。普通のコーンフレークに、繊維たっぷり系のものと、甘いお子様用のものなど混ぜて食べると、これがおいしいのだ。


しかし、日本でもスペインでも、なかなかおいしいシリアルに出会わず(特にお子様用が難しい)、シリアル習慣も途絶え気味だった。

でも、たまたまこの「Fitness」というシリアルを買ってみたら、結構おいしくてはまっている。


小麦だけでなく、お米も混ぜて作られているところが好き。

お米で作られたシリアル、探していたのだ。


というのも実は、ipo0312さんのブログで紹介されていた本 "The Sisterhood of the Traveling Pants” の中で、Lenaという子がrice crispiesを食べる場面が出てくるので…。Rice crispies好きな私は、無性に食べたくなったわけで…。全然、ストーリーには関係なく、ただの描写のひとつなのだけど、本の中でさえ、誰かが何か食べていると、自分まで食べたくなる。


我ながら、単純というか、阿呆…。

バルへ行く

友達と「今夜バルにでもいこう」という話になり、9時に待ち合わせる。

夕食を食べるつもりなので9時だが、飲みだけならもっともっと遅い、宵っ張りのスペイン生活だ。


散歩がてら、家からとぽとぽと歩いていく。夏のスペインは10時ごろまで明るい。

途中、工事現場のおじさんに、「Hola, Chinita,どこいくの?」と声をかけられる。

Chinita=China(中国人の女性形)を小さくしたものだから、無理して訳せば「中国人の女の子ちゃん」か?


道端であほなスペイン人に"China!"と意味もなく叫ばれるのもウザイが、

こんなふうに、にこにこ(ニタニタ?)して話しかけてくるのは、悪意をあまり感じさせないぶん、対応に困る。

とりあえず、うざいには変わりないからムシ。


さて、この日のバルは「Juan Bravo 25」。住所がそのまま名前になってて、覚えるのに便利。

珍しく今回は、そのバルの写真つき。


juanbravo

"Juan Bravo 25"のbarra(カウンター)を奥から見たところ


スペインで食べる、といえばbar(バル)は典型的だが、

ここ、Juan Bravo 25は、食べ物がおしゃれ&おいしくて、お気に入りだ。

いつもスペイン人でにぎわっている。


Pinchos(おつまみ?)もいくつか…。ヤギのチーズ、アボガドやかに玉を使ったもの、サーモンを使ったもの、などなど。串にささっているピクルスは、サービスのおつまみ。


バルでは、混んでいるときなど、ウェイターに飲み物ひとつ頼むのも大声で叫ばなくてはいけなくて大変だけど、ここはウェイターも気のいい人たちだ。


「バルへは、慣れていて声のでかい人と行こう」というのが(他力本願な)私のモットーなのだが(恥)、

…でも、声の細い私が義父母を連れて行ったときは、私の顔を覚えていてくれたウェイターが気を使ってくれて本当に助かった。


このあたりは街のふんいきもいいし、本当におすすめのバル。

1時ごろには閉まっちゃうのが残念だけど?

Juan Bravo 25

C/ Juan Bravo 25, 28006 Madrid

テラス席も、テーブル席のレストランもある。